放課後Kiss
自覚アリはタチ悪りぃな。
そんなことを言って、立ち止まったあたしに近づく足音。
「…!」
ドキンと飛び跳ねた心臓。
パチパチと背を向けたまま目を瞬きさせて。
…身体が、金縛りにあったように動けない。
…動かせられる、はずがない。
『…てか、』
ズン…ッと重くなった両肩。
視界に入ってくる、後ろから伸びた腕。
「…リナって、こんな時もボーっとすんの?」
肩に腕を置かれて。
あたしは、奴に捕まった。
「…れ、ん…?」
「ん?」
普段通りの声色。
どこからか現れた…、蓮。
もしかして。
…あたしを、追って、きた…?
「…」
…って。そんなわけないよね。
…じゃ、何でいるの…?
もし。
もしも…本当に…、本当にそうだったら…?
「…リナ?」