放課後Kiss
「…、」
確かに、今日は全然ノリ気じゃなくて。
ただ、誘われるままに行為に及んだだけ。
「…もうっ、なんなのよ…!」
そう言う麻由美を横目で見て。
「…別に。ただつまんないだけ。
…てか、もうお前飽きた。」
これが、いつもの俺の捨てゼリフ。
「……な…っ~~ッ、蓮のバカッ!!」
ただ、それだけを叫んで。
シャツのボタンに手をかけながら、麻由美は俺との空間を後にした。
「…」
俺は、そんな後ろ姿を黙って見送る。
…これも、いつもの事。
…放課後。
ある空き教室。イヤに眩しいその夕日が、俺のはだけた肌を鈍く、明るく照らす。
「…なんだかなぁー…」
軽くタメ息をついて、俺は窓から見える景色を机の上に座ったまま微動だにせず見つめた。
…なぜか、俺の頭を占領する
あの、女。
今日たまたま見かけた、あの…女。
多分、隣にいたのは彼氏か何かだろう。
少し暗めな茶髪…、こげ茶色した髪の女。
…隣の彼氏と談笑中。
…に、したら。
あまりにも女は笑わなくて。
言ってみれば。
ただ…、相槌を打っているだけ。
…なんだ?
あの女。
それが、第一印象ってヤツ。