放課後Kiss



開いた窓から、冷たくなった風が肌に当たって。


ついでに髪さえも少しなびかせる。


窓の外からは、微かにカラカラ…という枯れ葉の転がる音がした。


…多分、本格的に冬が近づいてきているんだろう。





『…―――あ、梨奈ちゃん』




…リナ?




あの日から2日。


教室の中でいきなり聞こえたその声に、パッと隣を見てみれば。


笑顔で、廊下を見ている男達の姿。



「…?」



俺は、そんな男達の視線を追った。


「……あ」


…そこにはあの時の、あの…女。


隣には…、彼氏。…じゃなく、明るめの茶髪の女。


恐らく友達か何かなんだろう。





『…ってか、マジ可愛いー…』


『バッカ。梨奈ちゃんは“美人”だろ?』


『どっちにしろ、いい女には変わんねぇだろ。…いいよなー。付き合いてぇー…!』





「…―――…」


てか。


…何か。


何か、ムカつく。


…何、他の男に狙われてんの?



「……」



軽く笑顔で話している梨奈という女。


横目には、そんな梨奈を見ている男ども。




…無性に、手に入れたくなった。





好き、とかじゃなく。


ただ、ムカつくから手に入れたい。


他の男なんか…見れないように。





「…」


ただ、そう思った。






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