放課後Kiss
『…な、に…?』
サァ…っと、2人の間に風が流れ込む。
『…、あんたさ…』
その時俺は、口を開いた。
…てか。なんとなく聞きたいことが一つだけ…あった。
『…っ?』
パラパラ…、と風に吹かれている梨奈の髪に手を伸ばそうとした瞬間。
ビク…ッっと反応した梨奈の身体。
…まぁ、妥当な反応。
だけど。
そんなことお構いなしに俺は続けた。
『…。さっきから見てたら、よくボーっとしてるけど』
…そのこと。
…てか。今日、さっきとかの問題じゃない。
梨奈は、よくボーっと何かを考えている。
…気のせいでも何でもいい。
強引だけど、どうしても聞いたかった。
…気のせいでも何だっていい。
…ただ。
梨奈のその瞳に、俺が映って。
俺に向けられる声を。
…少し、聞いてみたかった。…ってのもあるかもな。
到底、初めて見た俺に事実なんか告げるわけないんだろうけど。
『……、…大丈夫…』