放課後Kiss






…ほら、予想通り。


…なんだろうな。コレ。


なんか、どうしても口角が上がって。


…なんか見てると飽きない。





ムキにもならない。


かといって、フルシカトもなし。


相手にはするけど、余計なことは一切言わない。


…壁を作っているのは、一目瞭然。



女が寄ってきていた俺にすれば、かなり新鮮。


…だから。




『そう。てか……あんた、面白いね』


フッと口角を上げて。


俺は少し俯き気味の梨奈にそう言った。



『……は?』



少し尖った声。


けど。…目は、本気でそんなムカついてない。

そんな顔を見て、俺は一言。



『…強気で、実は弱いとこの方が多い。』


俺がそう言うと、ゆっくり目を見開いた梨奈。



『―! …な。何言って…』




『…なぁ、付き合ってみねぇ?』



あたふたとなる梨奈の言葉を多少遮って。


たった一言。…そう、言った。








< 37 / 56 >

この作品をシェア

pagetop