放課後Kiss
…ほら、予想通り。
…なんだろうな。コレ。
なんか、どうしても口角が上がって。
…なんか見てると飽きない。
ムキにもならない。
かといって、フルシカトもなし。
相手にはするけど、余計なことは一切言わない。
…壁を作っているのは、一目瞭然。
女が寄ってきていた俺にすれば、かなり新鮮。
…だから。
『そう。てか……あんた、面白いね』
フッと口角を上げて。
俺は少し俯き気味の梨奈にそう言った。
『……は?』
少し尖った声。
けど。…目は、本気でそんなムカついてない。
そんな顔を見て、俺は一言。
『…強気で、実は弱いとこの方が多い。』
俺がそう言うと、ゆっくり目を見開いた梨奈。
『―! …な。何言って…』
『…なぁ、付き合ってみねぇ?』
あたふたとなる梨奈の言葉を多少遮って。
たった一言。…そう、言った。