放課後Kiss





案の定。


そんな梨奈から返ってきた返事は


『…は?何言ってんの…?無理に決まって…』


その言葉。


…まぁ、予想範囲内。…なんだけどね。


だけど。



このままじゃ…面白くない。


『……じゃあさ、こういうの…、どう?』




上げたままの口角。


まだ状況を理解しきれていない梨奈に放った。



『…二週間』


と、いう言葉。


『…え?』


『二週間で、落としてやるよ。』



自信?


…んなもん関係ない。


出来るかどうかの前に、やるのが俺のやり方。



『…、無理。…でしょ』


いきなり少し俯いて。


ボソッと自信なさ気に言うその姿。


表情は本気で出来るわけが無い。…とでも思っている様子。




…ま。


多少苦戦したほうが俺は楽しめるんだけど。



『だから、期間付き。…2週間。
…確実に惚れさせてやるよ』




俺のその言葉で、一瞬強張った梨奈の顔。


…あーあ。


普通にしてた方がもっと美人でいられるのに。




…なーんて思うほど余裕を持て余している俺も、俺。…なんじゃねぇの?


そう思った、時。


耳に、自然に届いた言葉。






『……わかった。…いいよ。受けてあげる』


絶対落ちないから。



きちんと顔を上げて、俺を瞳(め)に映して。


そんな言葉を加えて、梨奈は不敵に笑った。










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