放課後Kiss
…だけど。
そう過ぎった考えに、終止符が、
…不意に打たれた。
――…スッと流れた一筋の涙に。
…ハッとした。
本気で嫌がったのか、何なのか。
…なんにせよ、リナは涙を流した。
…そんな予想外をついたリナの涙に、俺の力は自然と緩まった。
「~~~っっ!!」
その瞬間、力強く体を押されて。
「っ!何で…こんな…っ~~バカッ!!」
その場から、カバンを持ってリナは思い切り走り出した。
リナが去った教室、
いつの間にかいなくなっていた…アイツ。
…てか。
さっき、俺、何…しようとした?
…梨奈、に。
「……っ、くそ…」
夕日だけが肌を赤く染めて。
着ている制服を明るく照らす中。
俺は、ただ一人。
このカタチの読み取れない思いに苦痛を広げた。