放課後Kiss
頭上。
…詳しく言うと、真横。…の、上。
低めの声が、あたしの動きを止めた。
『……え?』
横を向いた瞬間、少し目を見開いた。
夕日に透ける、茶色の髪の毛。
シュッとした目。
綺麗な鼻筋の通った鼻。
薄い唇。
細いのに、筋肉質っぽい身体。
…目を、奪われた。
『…な、に…?』
あたしのその声に、近い距離をさらに縮ませて。
『…、あんたさ…』
『…っ?』
スッと伸びてきた手に、ビクッとする体。
『…。さっきから見てたら、…よくボーっとしてるけど』
―!
あたし自信、その言葉に驚いた。
ボーっとしていたか?と聞かれたら、…確かにYESだろう。
…だけど、自覚なんてなかった。
言われて、思い出して、初めて気付いた。
『……、…大丈夫…』
スッと目線を逸らして、あたしはそう言った。
…すると
『そう。てか……あんた、面白いね』
『……は?』