放課後Kiss
「…てか。帰らないの…?」
“今日はここまで”
と言った本人が、一向に帰ろうとしない。
「……。…やっぱ気、変わった」
「…え……ンッ!!」
いきなり距離が縮まって。
グッと力強く重なった唇に、あたしはギュッと目を瞑った。
そして、分け入ってきたものに、一瞬ビクッと身体が跳ねた。
…いつものことなのに。
…なんで?
何で?
何で…、こんなに…っ
あまりに、いつもより荒々しい口内の愛撫に目尻に涙が滲む。
「…っんーーー!!」
ドンドンと蓮の胸板を叩いてもダメ。
一向に力さえ止まない、キスにあたしは一筋涙が流れた。
そんなあたしを見た蓮の力が、一瞬ふ…っと緩まった。
「~~~っっ!!」
その瞬間、力強く蓮を押して。
あたしは
「っ!何で…こんな…っ~~バカッ!!」
その場から、カバンを持って思い切り走り出した。
…梨奈が去った教室で
「……っ、くそ…」
と、呟いた蓮に気付くはずもなかった。