落下星 ~キミがくれた、永遠の初恋~
瞳の風景
――那智が、下級生に告白されたらしい。
転校してきて1ヶ月。
あたしが知っているだけでも、すでにもう4人目。
友達がいないあたしの耳にさえ、那智の噂は毎日のように飛び込んでくる。
「……だれも、かれも、
惹かれちゃうんだよなぁ」
夕方の薄暗いリビングでぽつり、ひとり言をつぶやくあたし。
学校から帰ってきたら、家には誰もいなかった。
静寂のリビング。
窓はピカピカに磨かれ、
花瓶には花が生けられ、
手作りのヌイグルミなんてものもある。
神木のおばさんが住み始めてから、日に日に、他人の家みたいになっていく我が家。
「誰が誰に惹かれるって?」
ふいうちで後ろから声をかけられ、あたしは飛び上がった。