落下星 ~キミがくれた、永遠の初恋~

あたしは小さく肩をすぼめ、これまた小さい声で言った。



「あたしが……もっと彼に近づきたいって、思ったから」



ちゃんとした答えになってないけど、一応、下里さんは納得してくれたらしい。「そっかぁ」と満足げに微笑んだ。



「じゃ、明日は藍ちゃんたちにとって、初デートだね」



バイトは今日で終わりだけど、帰るのは明後日。


つまり明日は丸一日フリーなんだ。



「どうする? 斗馬くんと2人きりがいい?」


「えっ!? 困るよ! 下里さんたちも一緒に遊ぼうよ」


「そう言うと思った」

と笑う下里さん。



「じゃ、やっぱり4人で海か」


「あたし、水着ないよ?」


「持ってこなかったの?」



だってバイトで来たんだから水着なんか必要ないし。


というか、そもそも水着を持ってない。


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