落下星 ~キミがくれた、永遠の初恋~
「泣くな」
「……うん」
涙を流しているのはあたしなのに、那智の方が、悲しそうな顔だった。
たぶん、一週間くらい。
その静かな時間は流れた。
「休憩するか」
いつものように那智が言って
あたしもいつものように立ち上がって、服を着た。
キャンバスを見ると、ほぼ完成に近い絵がそこにあった。
「藍。今日……描き終わると思う」
最後の時が来るのは、わかっていたことなのに。
那智の言葉を聞いたとたん、経験したことないほどの寂しさがこみ上げた。
「……そっか」
声が、かすれる。
ダメ。すがっちゃダメ。
「コーヒー入れてくるね」
あたしは顔を伏せて部屋を出た。