落下星 ~キミがくれた、永遠の初恋~
「うん。大丈夫だよ」
「でも姫、最近痩せすぎ。ちゃんと食ってねぇだろ」
湯川くんに言われて自分の腕を見ると、たしかに棒のように細い。
「食べてるよー。だから大丈夫だってば」
そう言って笑うと、湯川くんも複雑そうな瞳で笑い返した。
本当は……
最近は食べてもすぐに吐く。
この日の夜も、家に帰ってからシチューを食べたけど、10分後にはもどしてしまった。
水で口をゆすいだあたしは、那智の部屋に入った。
ここにはまだ絵具の匂いが残っている。
那智が置いていった絵もある。
キャンバスに描かれたあたしの裸は、今よりずっと健康的だ。
「……今の体、見られなくてよかった」
棒きれのような腕をながめ、あたしはフフッと力なく笑った。