落下星 ~キミがくれた、永遠の初恋~
きみだけに捧げる
いつもより、30分早く家を出た。
顔を合わせるのが嫌だから。
今日からお父さんは2週間の出張。
それが終われば
あたしたちは姉弟になる。
「あれ?」
昼休憩。人気のない視聴覚室で卵サンドを食べていると、廊下から声をかけられた。
「桃崎さん、こんな所でご飯食べてんの?」
そう言いながら入ってきたのは、隣のクラスの熊野くん。
ちなみに昨夜、那智との会話で火種になった、美術部の部長。
「俺、もっと日当たりいい場所知ってるよ?」
「あ、うん……。でもここ、静かで気に入ってるから」
「そっか。桃崎さんらしいね」
熊野くんは両手いっぱいに、画材やら何やらを抱えていて重そうだった。
だけど気にする様子もなく、いろいろと話しかけてくる。