【短】僕とセンセイの秘密
「か…海堂クン?」

ふと眼が合った女性に声をかけられた

「あ……」

僕は、口をぽかんと開けたまま身体が固まる

センセイ

センセイは白髪交る50代の男性の腕に絡んで歩いていた

もう?

もう次の男と会ってるの?

朝まで、僕と一緒にいて、何回も愛し合ったのに…

「ツバサ?」

心愛姉が、僕の手に触れた

「あ…えっと」

学校の先生と言ったら、マズいのかな?

50代の男性とどんな関係か…僕はよくわからないし…

「店のお客さんだよ」

「そう…なら私と同じね」

心愛姉がにこっと、センセイにほほ笑みかけた

…て、アナタは僕の姉デショ!

「今日、お休みって…」

センセイが首を傾げる

あ…いや、休みていうか

もともと仕事は代理であって、いつも休みみたいなもんだし

「私の指名があったら、休んでなんかいられないわよね?」

なんで?

そうやって、説明するのを複雑化するんデスカ!

「あ、それとも今日、同伴したかった?」

「ここあね…いや、ここあさんっ」

「だってぇ、ツバサを気に入ってるのよ、私」

なんか、僕、このままどこかに消えてしまいたいんですけど

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