【短】僕とセンセイの秘密
僕の顔を見た男性は、席を立ちあがる

「ここあさん、すみません」

僕は頭を下げる

「いいわ、座りなさい」

僕は椅子に座るなり、脛に姉の蹴りが入った

ガツっという鈍い音に、ちょうど隣を通り過ぎようとしたセンセイが驚いた表情になった

いたっ…いんですけどっ!

どうして僕ばっかり、こんな目に遭うんですか

50代の男性とセンセイは奥のテーブルに向かっていった

「…で、あの人は誰?」

姉さんが携帯を広げたまま、口を開いた

「僕の担任ですよ」

「ええ? 高校の? 不倫しちゃってるわけ?」

「まあ…僕がホストのバイトをしてるのも知ってますけど」

「そんなのさっきの会話でわかるわよ
ふうん…んで、ヤッちゃったの?」

「まあ、僕の好きな人でもありますから」

「あはっ…楽しい高校生活を送ってるんじゃあなあい!
お姉さん、心配することないのねえ
彼女の一人でもいないと…人生潤わないからさぁ
真面目一筋な弟を心配してたわけよっ」

全然、そう見えませんけどね

家にだって、ほとんどいないじゃないですか

陽向ってモデルと公私混同な生活を送って、なかば同棲に近い生活を送ってるくせに

心配も何もしてないデショ

< 14 / 23 >

この作品をシェア

pagetop