【短】僕とセンセイの秘密
「それって脅しじゃないのっ」

「まあ、そうとも言いますねえ
でも、渇くんでしょ?
どうしようもなく、身体がツラくなるんでしょ?
他のホストに乗りかえるんですかぁ?
僕以外の生徒だったらどうするんです?
しかも僕みたいに、黙っていてくれるなんて紳士じゃないかもしれない
僕なら、黙ってるし…店で楽しく飲みたいなら、父の店がある
父の店なら、安心でしょ?」

「どこが?」

「教師だってもうバレてるから
気兼ねなく飲める」

「逆に気兼ねするっ」

「じゃあ、センセイが通いたくなるような店に僕がバイトしましょうか?」

「駄目よ! 何を考えてるのよ」

「何も
だってセンセイが、昨日言ってましたよ?
僕とは相性がいいって」

「良くないっ」

「何も覚えてないのに?」

「いーだ」

センセイはタオルケットの中でバタバタと暴れている

本当に子供だよ

「私…海堂クンにどこまで話したの?」

「さあ?」

センセイがぴょこっと顔を出して、質問してきた

僕が肩をすくめると、枕が顔面に飛んできた

「おっと…」

僕は枕をキャッチする

センセイの髪の匂いが、枕から漂ってきた

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