【短】僕とセンセイの秘密
「私は無理よ
同じ人と、ずっとは付き合えない」

「そう思いこんでるだけでしょ?
過去のトラウマが怖くて、前に踏み出す勇気がないだけ
無理に、とは言わないけど、さ
辛いときは、話くらいは聞くよ
…てことで、携帯アドレスをここに置いていきますねえ
僕、そろそろ帰らないと、両親ズに怒られるんで」

僕は立ち上がると、スーツを着た

兄貴から借りたスーツ

エチケットに持っている小さな携帯用の鏡で、髪のチェックをする

よし、崩れてないっ

僕はベッドの上に丸まってるセンセイをちらっと視界に入れる

『私、不感症なんだって
同じ人と長く付き合ってると、どんどん濡れなくなって、出来なくなるの』

僕、思うんですけど…それって当時の彼氏にも問題があるんじゃないんですか?

センセイだけの責任だとは思えないんですよね

僕と5回もしておいて、不感症なんてあり得ないデショ

初めての彼氏に言われた言葉を、今も引きずって、まともな恋愛ができなくなってるなんて…

辛いですね

でもだからって殻に閉じこもっていても意味がないですよ

僕はセンセイをずっと見てきてるんですから

僕に任せてくれないかな?

センセイのトラウマ、打破してあげたいよ

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