【短】僕とセンセイの秘密
「ナニ? 暑いのに、なんで玄関に集まってるのよっ
…てかツバサ、邪魔なんだけど」
「心愛(ここあ)姉…あれ? なんで?」
僕は玄関に立っている姉を二度見したあと、首をかしげた
「はあ?」
心愛姉が、面倒くさそうに僕を睨んだ
「ツバサってスーツが似合わないよねえ」
玄関の壁に、僕を押しのけた心愛姉は赤いハイヒールを脱ぎ捨てるとズカズカと家の中に入っていった
壁に鼻をぶつけた僕は痛みを堪えながら、大きく背中の開いたワンピースを着ている姉を見送る
「相変わらず自由人め」
父が、ぼそっと吐き捨てた
「陽向(ひなた)君が海外の撮影で、家を開けるからじゃない?」
母がにこにこと笑っている
「陽向ってあのくそガキか」
空兄が不機嫌な声を出した
一之瀬 陽向(いちのせ ひなた)
僕と同じ年で
彼の父がモデルで、息子も雑誌のモデルとして活躍中らしい
16歳とは思えない色気が、女性たちのハートをわし掴み中だとか?
「…て、姉貴って陽向のマネじゃないの?」
僕の質問が、姉に聞こえたらしい
すごい形相で僕は睨まれた
「五月蠅いわよ、そこっ!
一番下の弟だからって、私が甘い顔をすると思わないでよ」
「はあ? いつも冷たいじゃん」
僕の言葉に、心愛姉の目がつり上がった
「はあ、どうして最近のガキは怒りのツボを刺激したがるのかしら?
全く、頭に来るのよ
ツバサ、買物に付き合いなさいよ」
ええ?
「な…なんで…僕?」
空兄が、ふうっと安心した顔をして、二階に上がっていく
…てかツバサ、邪魔なんだけど」
「心愛(ここあ)姉…あれ? なんで?」
僕は玄関に立っている姉を二度見したあと、首をかしげた
「はあ?」
心愛姉が、面倒くさそうに僕を睨んだ
「ツバサってスーツが似合わないよねえ」
玄関の壁に、僕を押しのけた心愛姉は赤いハイヒールを脱ぎ捨てるとズカズカと家の中に入っていった
壁に鼻をぶつけた僕は痛みを堪えながら、大きく背中の開いたワンピースを着ている姉を見送る
「相変わらず自由人め」
父が、ぼそっと吐き捨てた
「陽向(ひなた)君が海外の撮影で、家を開けるからじゃない?」
母がにこにこと笑っている
「陽向ってあのくそガキか」
空兄が不機嫌な声を出した
一之瀬 陽向(いちのせ ひなた)
僕と同じ年で
彼の父がモデルで、息子も雑誌のモデルとして活躍中らしい
16歳とは思えない色気が、女性たちのハートをわし掴み中だとか?
「…て、姉貴って陽向のマネじゃないの?」
僕の質問が、姉に聞こえたらしい
すごい形相で僕は睨まれた
「五月蠅いわよ、そこっ!
一番下の弟だからって、私が甘い顔をすると思わないでよ」
「はあ? いつも冷たいじゃん」
僕の言葉に、心愛姉の目がつり上がった
「はあ、どうして最近のガキは怒りのツボを刺激したがるのかしら?
全く、頭に来るのよ
ツバサ、買物に付き合いなさいよ」
ええ?
「な…なんで…僕?」
空兄が、ふうっと安心した顔をして、二階に上がっていく