陽だまり荘へようこそ♪
おんぼろ家屋
陽子は、結婚して10年目に離婚した。
デキ婚だったため、もうすぐ10歳になる娘が一人いた。
その子を連れて、どこでそうやって暮らしていこうか、ずっとずっと悩んでいた。
とり合えず、荷物をまとめて、家を出ないといけない。
旦那は、単身赴任となって、もう5年も一緒に暮らしていなかった。
もうずっと二人で暮らしてきた。
だから、今さら、二人で生きていくことに不安はなかった。
ただ住みなれた町。
仕事仲間や、友人たちと別れるのはやはり辛いものがある。
娘もそうだと思う。
でも、一度も泣くことなく、テキパキと荷物の整理をしてるアカリをみてると、陽子も過去にすがってばかりもいられない。
一つ一つ、思い出をたどりながら、荷物の整理を進めていた。
そのとき、開いたアルバムの中に、陽だまり荘があった。
古い建物。
その前にたたずむ園子さんと入学前の自分。
園子さんは、アカリが生まれるより、ずっと以前に亡くなった。
確か、まだ陽子が高校生で、両親も健在だった。
一週間ほどしか滞在しなかった田舎町。
小さい頃の記憶が蘇ったわけではないけど、そのときの、大きな川面をキラキラと輝く夕陽が照らしていた光景を、急に思い出した。
なぜだろう。
たったそれだけの光景なのに、急に恋しくなってしまった。
陽だまり荘・・・今はどうなってるんだろう?
そんなことも、今の今まで考えても見なかった。
思い立ったが吉日。
荷物も中途半端に、陽子とアカリは、その町に向かった。
区画整備が進められている駅周辺は、見違えるような風景になっていた。
何度も足を運んだわけでもないので、尋ね尋ね向かった田川町。
いつのまにやら、いくつも新しい柄が立ち並んでいたが、その中に、ちゃんとあった。
すっかり古びた建物。
陽だまり荘は、写真のまま、そこにあった。
デキ婚だったため、もうすぐ10歳になる娘が一人いた。
その子を連れて、どこでそうやって暮らしていこうか、ずっとずっと悩んでいた。
とり合えず、荷物をまとめて、家を出ないといけない。
旦那は、単身赴任となって、もう5年も一緒に暮らしていなかった。
もうずっと二人で暮らしてきた。
だから、今さら、二人で生きていくことに不安はなかった。
ただ住みなれた町。
仕事仲間や、友人たちと別れるのはやはり辛いものがある。
娘もそうだと思う。
でも、一度も泣くことなく、テキパキと荷物の整理をしてるアカリをみてると、陽子も過去にすがってばかりもいられない。
一つ一つ、思い出をたどりながら、荷物の整理を進めていた。
そのとき、開いたアルバムの中に、陽だまり荘があった。
古い建物。
その前にたたずむ園子さんと入学前の自分。
園子さんは、アカリが生まれるより、ずっと以前に亡くなった。
確か、まだ陽子が高校生で、両親も健在だった。
一週間ほどしか滞在しなかった田舎町。
小さい頃の記憶が蘇ったわけではないけど、そのときの、大きな川面をキラキラと輝く夕陽が照らしていた光景を、急に思い出した。
なぜだろう。
たったそれだけの光景なのに、急に恋しくなってしまった。
陽だまり荘・・・今はどうなってるんだろう?
そんなことも、今の今まで考えても見なかった。
思い立ったが吉日。
荷物も中途半端に、陽子とアカリは、その町に向かった。
区画整備が進められている駅周辺は、見違えるような風景になっていた。
何度も足を運んだわけでもないので、尋ね尋ね向かった田川町。
いつのまにやら、いくつも新しい柄が立ち並んでいたが、その中に、ちゃんとあった。
すっかり古びた建物。
陽だまり荘は、写真のまま、そこにあった。