弱者の悪意
反面教師とはよく言ったもので、
そのせいか私は、
人前では左手をポケットに入れたままを
常にしているのだ。

それでも、非常勤の行儀に厳しい上司に、
ポケットから手を出せと命令されたら、
仕方なく、目の前に 手を差し出し、
自分の短所をさらけだすしかない。
そんなとき、上司は決まって、私の弱点を見過ごすふりをする。

私は少し、傷つく。
とはいえ、、また、すぐに、ポケットに手を隠す日常である。
そんな上司に限って、、二度と
私のハンドinポケットを
注意することがなくなる。
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