君を追いかけて

…おい…

やめてくれ。


し、心臓、が。


おかし、い。


ドクン ドクン


あたしの心臓が大きく波打つ。

湊は未だに顔が真っ赤のまま授業を受けている。


あ、お礼言われ、たんだか、ら。

返事しな、きゃ。


心臓…いや、胸が苦しすぎてうまく息が出来ない。


返事しな、きゃ。


「い、いえいえ…ー」

ガタン!


「…佐伯さん?!」

先生が大声を出す。

クラスのみんなが騒ぎだす。

お礼を上手く言えたか、湊に伝わったか分からないけど、


そんなことお構いなしに


あたしはぶっ倒れた 。


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