君を追いかけて
湊は顔を真っ赤にさせ、そのままグインとあたしから目を逸らしてしまった。
「……そ、う」
あたしが湊を呼んだのも、聞こえないから。
一瞬、たった一瞬だったのに
目が合った時間がフリーズしたみたいで
すごく長いような気がした。
「…てか、あたし湊のこと意識しすぎっ」
顔が赤いままのあたしがよく言えるもんだ。
湊はもう今あたしと目が合ったことなど忘れたかのようにサッカーに専念していた。
「…帰ろ」
ふぅ、とため息をついたあたしは、
その場を後にした。