君を何度も~俺様☆天然~
「でも青依や文花だって……!!」


「誰が杏を嫌いだって言った訳??」


「あたしも、青依も杏を受け止めてるつもりよ??」


杏の背中を擦りながら、朱音と砂田は母親のように諭す。


「………青依、文花。」

「じゃ、落ち着く為に保健室にでも行く??」

「あ、ちょうど自習だからOKかも」

「諒弥!!チョークとかの後始末頼むわ♪」


「吉川も手伝ってよ!!」

「ちょ、ちょっと朱音!!」

「何??まだ文句がある訳??」

大有りだよ。


「……何で、杏……新田さんは泣いてるんだ??」

「そんなの泣きたいからに決まってるじゃない。」

「いや、感情的じゃなくて。」

思想的な奴。

滅多に泣かない杏が泣くんだ。

「……過去に、何かあったとか??」


その瞬間、




















「………家族愛って、温かくて残酷なのよ。」


「………は……??」


朱音の顔に、悲しみが浮かび上がった。

……何だ、この胸騒ぎ。


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