君を何度も~俺様☆天然~
「………キレイな瞳しちょるな、杏は。」

そんな言葉を呟きながら、あたしの瞳の涙をぬぐってくれる陸。


少し強引な所がやっぱり陸らしい。

「………涙で濡れてるからかな??」

「違う、目線が真っ直ぐ突き刺すんだよ。」


あたしの頬に視線を落とし、またあたしの瞳を見つめる陸。




















───あたし達は仲直りのキスをした。


無気力な手にどんどん指を絡める陸。


ただ触れるだけだったのに味わい深く、何度も重ね合わせられる唇。

……こんな事なかったのに。



全然知らない事なのに、体が勝手に動いていく。

これが人間の本能??


時が立つに連れて、あたしの頭はシャットアウトされてきた。


「………っはぁ、はぁ。」

ようやく唇が離され、頭に酸素を送り込んできた。

息を整えようとするが、なかなか興奮して止まらない。



なのに陸は………


「………ヒャァン!!」


突然あたしの首筋にキスする。


思わず身体中に駆け回る衝撃。


感じた事もない感情。


でも頭の中には、




《返しなさいよ!!この人殺しっ!!》






別の衝撃を受けた。

< 127 / 184 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop