君を何度も~俺様☆天然~
上祇園……!?

《ごめんね、杏。》



《杏、また迎えに来るから。》



















《あんたが生まれなきゃ、杏子は助かったのよ!!》

「……嫌。」

「え?」

「そこだけは嫌っ!!!」

止めて止めて止めて止めて止めて!!

「……杏。お前、どうかしたか??」



「お願い……。

そこだけは止めて……。」

あたしは陸の服の裾を掴んで頼み込んだ。


あそこは……

あそこはあの日以外は行きたくないの。

だってあたしは、許されないから。

一生、許してもらえないから。

陸は不思議そうにあたしを見つめてたけど、


「……じゃあ、とりあえずそこは却下な。

後は朱音と決めていいか??」
と、開き直って聞き直してきた。



「……うん。

ごめん、急に取り乱して。」

「別に。

じゃあまた放課後な。」

そう言うと、陸は先に扉を開けて入っていった。


……ごめんね、陸。

これだけは陸でも言えないの。

ううん、陸だから言えないの。

だって陸はもう失いたくないから。


あのせいで、あたしはたくさん何かを失ったから。

これからの未来に、

あたしは少し不安を覚えた──
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