君を何度も~俺様☆天然~

大切☆陸

【上祇園】

そこに何があるのか分からない。

でもさっきの杏の態度で何となく分かる。

……杏はあそこを怖れてるって。

「……で、朱音は砂田と杏にtriplet dateを誘って欲しいんだけど。」

掃除終わりの放課後、

ぶつくさ文句を言われながら、俺は朱音にデートの概要を話した。


「あ、それは楽勝よ。

それより場所とか結構重要じゃない??

文花とか、絶対そんな場面見られたくないし。」

さっきとは裏腹に、真面目な態度で話に耳を向ける朱音。


……いっつもこんくらい真面目だったらいいのに。

俺はさっき調べた紙を見ながら、

「それは当てがあるから。

杏の希望で上祇園は却下だけど。」

さっきの事を少し口走った。

その時に、ほんの一瞬

朱音のピアスが揺れた気がしたが、

「まぁ、あたしもあんまり好かないな。

あそこって出来てばっかで人多いし。」

まるで何もなかったみたいに話し始めた。

……気のせい、か??

やっぱり二人の行動が気になる。


< 139 / 184 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop