君を何度も~俺様☆天然~
アタシはそっと
壁に手をかけて
遠くの陸を見つめる。



近いはずなのに……
遠いのはアタシのせい??

いっつも傍にいてたはずなのに
この微妙な距離感を作るのは
アタシ??陸??




「………どうやったら、
自分って変えられるんだろ…??」
不意に言葉に出してみた。
返事が来ないのは分かる。
でも少しは気持ちが楽になるかと思ったのに。
















「………相変わらず、
泣き虫だな、杏。」
「……ふぇ?!」


何で??
アナタはアタシを見つけるの??


アタシは後ろにいたはずの
青依と文花を目で探す。



「あ、諒弥。
待たせてごめんね??」
周りを圧倒しながら
縦畠君に対してとてつもないオーラを放つ青依。


「……あ、
待った??」
周りを気にせず
自ら進み歩む文花。

そして、

















「り……くっ…!?」
「……ったく、
人がせっかく待ってたのに
泣いてるって何だよ??」


自ら歩み出ず、
王子様に連れてきてもらう
ズルいあたし。



















「そのままでいい。
そのままのお前で、
俺の傍にいればいいんだよ。」


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