君を何度も～俺様☆天然～

慣れ☆陸

｢……多いな。｣

｢やっぱみんな
来ちゃうよねー。｣



何とか始まった
二人の初デート。

喋るのが苦手な杏と
普通は無口な俺だから、
無難に映画を選んだが……。



｢大丈夫か??

結構待つみたいだけど。｣

｢うん、平気ー。

こう言うの慣れてるから。｣



ここまで言われると、
笑顔で言う杏は
ある意味悲しい人種だ。



まぁ、せっかく来たのも
なんだから
俺等はチケットを買った後
定番のポップコーンを
買いに列に入る。


｢味はやっぱ
キャラメル??｣

｢それ以外に
何かあんのか??｣

｢いや、
塩とか塩とか……??｣

｢塩しか
知らねーじゃん。｣

思わず必死に考え込む
杏に苦笑する。


｢だったら何かあるのー??｣

その頬を膨らませながら
反論する姿は、
きっと俺にしか
効果を発揮しないだろう。


｢塩とキャラメル。｣

｢ないなら
先に言ってよー!!｣

こう言う言い合いも、
学校では味わえない
貴重なtalking time

ちょっと、楽しい。