君を何度も~俺様☆天然~
「何か無神経な事
言いましたかー!?」


焦って俺の体を
手でバシバシ叩く杏。

あーまた分かってねえ。
これはもうバカじゃなくて
天然でしょ??



「……杏のバカ野郎ー」

ちょっとおちょくってやる。



「え、ちょ、陸ー!?

別れるのはいいけど
一生目の前に現れるんなとか
そう言うのは………。」

「ふーん。」

「あれ、陸??
泣いてない……。」

「俺が怒ったら
すぐ別れるの??」

「え……違う。」

「そんな軽いんだ。
俺に対する杏の気持ち。」


違うって分かるよ。
杏の事だから
足手まといに
なりたくないんでしょ??


でもそんなに
軽々しく【別れる】
とか言うなよ。




「……アタシは、
ただ陸に
幸せになってほしい。

アタシ陸を
幸せに出来る間は
傍にいたい。

でもアタシの存在が
陸の幸せを邪魔するなら
アタシは身を引きたい。

陸が幸せな時は、
きっとアタシも幸せだから。」



人混みにこんなに
嬉しいとは思わなかった。


「………陸。」

「………。」

「嫌いに、なっちゃった??」

「………バーカ。」

「え??」

「お前のそう言う所、
嫌いじゃねえよ。」




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