君を何度も～俺様☆天然～

嫌いな訳じゃない。
嫌いになれないんだよ。


バカみたいにお人好しなのは
嫌いだったはずなのに、
杏をずっと見てたら
そう言うのも悪くないなって。




｢ただもうちょっと、
自分の幸せ考えろって。

俺も杏と一緒で、
隣でお前が幸せなら
……まぁまぁいい気分
だから。｣


｢………ホント??｣

｢嘘は嫌いだ。｣

｢たまに嘘つくじゃん!!｣

｢【本音と建て前】
って言葉知ってる??｣

｢あーまたバカにしたっ!!｣



ほら、
今杏は笑っただろ??

それで俺も、
笑っただろ??


隣で笑ってる奴いたら
自分も自然に笑えるんだよ。

杏の笑顔見れたら
例え離れてても
無人島で一人ぼっちでも
生きていける気がする。

【ああ、こいつの笑顔
傍で見ていたいな。

守ってやらなきゃな。】




杏の笑顔は、
俺だけが作れて
守れて、見れるから。

｢あ、順番回ってきたよ。｣

｢ポップコーン
キャラメル味２つ。

あとコーラ２つ以上で。｣

｢ええっ!?｣

｢はい、
早く言わなかったから
注文終了ー♪｣

｢陸ズルいよっ!!｣


いつまで俺達が、
笑えるかは
今は考えない。

｢ねぇ、陸。｣

｢ん??｣

｢映画、楽しみだね。｣



でもきっと、
当分コイツを
離す気にはならない。