君を何度も~俺様☆天然~
UFOキャッチャー、
結構得意なのにと
名残惜しそうに呟く。


……ピラッ



「え………何で!?」

「俺がそんな
隙ありな行動するか??」



とピラピラなびく
二枚の使用済み映画チケット。

「取っててくれたのー??」

「もったいないだろ。

どうせなくしたら、
俺の使いたがるし。」


確かにーと
自分の事で頷く杏。

「でもこれで出来るね??」

「そうだな。」

「ありがと、陸。」



嬉しそうに、
二枚のチケットを握りしめる。

そんなに嬉しそうなら、
何だか教えてよかったな。



自然と俺にも、
笑顔が戻る。

「でも陸、
よくここの事知ってたね。」

「……ん、まぁな。」

「よく来てたの??
まさか彼女さんと、
よく来てたとか。」


ビクッ!!!

「彼女さんって……
俺の彼女さんはお前だろ??」

「いや、そう言う訳じゃなくて
昔の彼女さんとか……。」



そう言うと、
何故かしょげた顔で
俯いた杏。

「………杏。」

「バカだねーあたし。

陸には前にも、
彼女さんがいたのは
ちゃんと分かってたのに

自分で言っときながら
何か苦しい………。」



少し、
悲しいような嬉しいような
微妙な感情が訪れる。

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