君を何度も~俺様☆天然~
「え……何??」

「もしかして、
あたし達を説教してんの??」

「さすが、大野の彼女。」



顔色を変えれば、
また次々に出てくる罵り。

でも杏は違った。

まるで聞こえないように、
空気を震わす声で
またあいつらに問いかける。



「説教じゃないです。

ただのアドバイスです。」

「アドバイス??

言っとくけど
あたし達にはあたし達の
やり方があんの。」

「あんたなんかに
指図されるヤワじゃ
ない訳よ。」

「いえ、あたしは言います。

あなた達のやり方は
間違ってます。

例えどんな手段を使おうが
こんなに人を傷つけておいて
知らんぷりなんて
無責任にも程があります。」



杏はまだ知らない。

俺が梨子に裏切られて
自分が悔し涙を流したように
俺は出会った女に
悔し涙を流させた。

まるで自分の痛みを
知らせるかのように。

でも杏は俺を庇う。

きっといつかは、
自分も捨てられてしまう。
それを感じ取ってるはずなのに。
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