君を何度も~俺様☆天然~
「アタシは簡単に、
命を捨てません。


簡単に捨てたらっ
どれだけの人が悲しむか!!

アタシは身に染みて
分かってるからっ!!!」



泣きながら叫ぶ新田。


「……ならまず、
自分を大切に
しなきゃな。」

「……え、??」

「自分を大切にしないで、
他人なんかに優しく
できないだろ??」

自分が出来ない事を、
他人にしてあげられないだろう。


「まずはそっから始めたら??」


俺はそこまで言い切ると、
さっさと診察室を
出ていった。

もうここに用はない。

後は新田だけで、
十分だ。




「……あの、大野君っ!!!」

「……ん、また何か
あんのかよ。」

いちいち叫ぶなよ。



「ここは病院……って。」

………おいおい。





「……お願いが……あるのっ。

涙でウルウルした瞳で
頼まれたら、
なかなか断れませんが。

「……何??お願いって。」

「いや……あの、
アタシを………。」

そう言いながら、
左下をしきりに見つめる
赤い新田。

「………さっさと言わねえと、
俺帰るよ??」

少し焦らせる言葉で、
また新田を煽る。

「い……一緒に……。」

「うん。」




















「青依の病室まで
着いてきてっ!!!」

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