君を何度も~俺様☆天然~
「……ははっ……
まじかよ。」

「……やっぱ、嫌??」

「違うっつうの。」



新田はどうして、
そこまで重要性のない事に
真剣なんだろう。



「別にいいんだけど……。」

「本当っ!?」

驚きが隠せないのか、
慌てて俺の元へ降りようとする。


「おい、確かお前……。」

「キャアッ!!!??」


【足、怪我してる】
って言う前に既に
新田は動き始めて、
真っ直ぐ俺の方に
飛び込んでくる。


そう、まるで
ジャンプしながら
抱き締めてくるみたいに。

新田の髪は俺の首筋を、
撫でるように通りすぎ
全ての体重なのか、
力弱く俺に抱きついた。


対する俺は何にビビるのか、
いつもならよろけない
衝撃を受け止めながら
ゆっくりと事実を
噛み締めていく。




【ただ、よろけて
抱きついただけ】

今はそんな状態が
好都合に聞こえて
しょうがなかった。



「うわービックリした。」

「え、あ!!
ごごごごごめんなさい!!」

慌てて降りようとするが、
俺と新田の身長差で
どうにも足が浮いてる状態。

「ちょ、大野君……。
そろそろ降ろして……。」


「……いい匂い。」

「え??」

「……新田って、
香水つけてんだ。」


抱きついたてきたのは
新田なんだから、
少しくらい
楽しんでもいいでしょ??

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