君を何度も~俺様☆天然~
ギュッ

顔が、体が
どんどん凍りつく。

さっきより少し
体が重くなったが、
それでも新田は
壊しそうなくらい細い。


「……大野君は、
何人家族なの??」

「……大雑把に言うと
11人。」

「うわ、大家族だね!!」


エヘヘと笑う新田。


多分コイツは知らない。
俺の家庭の事情など、
世にも見ない愛の塊だと。



「……アタシは
三人家族だったなー」

「一番シンプルな
核家族だな。」

父と母と新田だろ??
それがどうしたんだよ。



「そっから二人になって、
また三人に戻って























最後は結局、
1人なんだ。」

「……は??」



1人??

その意味を感じたときに、
背中に滴が一筋、
背中を伝う。


「………保護者は??」

「……今の所、
いないの。

一応は生きてるんだけど
事情があって
もう三年あってないよ。」


最悪だ。
家族なのに、
もう三年もあってないなんて。



「………俺の家庭も
家族とは言いづらい
奴等の集まりだ。」

「でも3月になれば、
みんなに会えるでしょ??」



3月は寮の奴等も、
実家に帰る月。

当然俺も、
嫌々だが家に帰る。

「でもアタシには、
迎える家もないの。

アタシの帰る場所は、
いつも行き当たりばっか。」


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