君を何度も~俺様☆天然~
『で、あたしに何の用なの?』


チャリン………



『!?』



朱音の顔に青色が浮かんだ。


……どーやら訳ありみたいだな。



『朱音を助けた人が、これを朱音にって。』


『………何で?』



『はぁ?』


何でって……そんな事分かんねえよ。

朱音はグシュと瞳に溜まった涙を拭き、



『………とりあえず、あんたは杏と一緒に帰って。』


と呟いた。


『いいのか?


俺が新田を連れて帰っても。』


『少なからず、そこら辺にいる雑魚よりかはマシね。


それに、いざとなった時の時間稼ぎにもなりそうだし。』


おいおい。


perfectな俺をナメんなよ?

『もっとも、天下無敵なあたしには敵わないけど。』


こいつに勝ちたいと思いたくないし。


『とりあえずさっさと連れて帰って!!』


『はいはい……。』


そして俺は静かにドアを閉めた。


この瞬間……









『……バカなんじゃないの?』


と言う声とともに聞こえてきた嗚咽には耳をふさいだ。

女の鳴き声なんか聞きたくないからな。

傍で気持ち良さそうに寝る新田を見ながら、


静かに病院を去った。

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