計算女 VS 天然男


──決めた。

「俺、
ユキさんに
ガツンと言ってきます。」

もう慎吾さんにこんな顔させたくない。


「はぁ?」


「一方的に別れるなんてズルい、
連絡くらい取って下さいって言います。」


「やめろ。
わざわざみっともねー。」


「だって…!」


グッ

気がつくと、グラスを握りしめていた。

気持ちに熱が入ると、
それとは反対に、手が冷たいものを求めてしまう。

これは昔からの癖。


ジュースは無いけど、
氷だけ入ったグラスでも充分冷たい。


冷静になれ、俺。



「…すごい理不尽じゃないですか。こんな別れかた。」


「終わったことじゃねぇか。」

慎吾さんが鋭く言い放つ。





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