アイドル様の秘密☆
「お前何役??」
「大家族の長男役。
結構重要」
「そっち系かよ(笑)。
恋愛じゃねーのか」
俺はつまらなそうに手をズボンのポケットに突っ込む。
「二時間ものの特別ドラマっつったらそんなもんだろ。
でも面白い内容だぜ??
超金持ちな家に生まれた美形八男八女の大家族のドタバタコメディ」
「おー面白そー☆」
「だろ??
見てくれよ俺の名演技を(笑)ヨシトもな」
「録画するわ」
黙って俺らの会話を聞いていたヨシトが軽く片手を挙げて返事する。
そんな会話をしながら歩いていると俺らのクラスがある棟に着いた。
もう昼休みだから学食に行く生徒達とすれ違う。
「あ☆
咲虜君来たー!!!!」
一人の女子生徒の高い声に、俺の表情はまた曇る。