アイドル様の秘密☆
「だから。
何に対してのゴメン??
話聞いてなかったこと??
それとも……
俺を否定してるの??」
怖いくらい、咲虜の目は真剣だった。
周りの音も遮断されて、アオ君と鈴の存在さえ忘れてしまうほど、あたしは目の前の咲虜に魅了された。
あたしはゆっくりと口を開く。
「話を…聞いてなかったこと…です」
声は震えて、おまけにですなんて言ってしまったあたし。
あたしの顔一個分よりも身長の高い咲虜を見上げたまま、あたしは小さく息をする。
「ふーん……。
てことは、お前は俺の彼女ってことでいいわけ??」
そう言いながらゆっくりと顔を近付けてくる咲虜。
「そ…それは……!!」
思わず顔を逸らそうとしたあたしの頬に触れて、無理矢理前を向かせる咲虜。
女のコみたいに綺麗な癖に、堅くて大きな手から咲虜の体温が伝わる。