「幸と圭吾ってラブラブだよね。うらやましい。」そう言ってからかってくるのは親友の由季だ。
「自分だって十分ラブラブじゃん。藤本先輩と。」「まぁね」由季は一つ上の藤本先輩と付き合っている。
「そうだ、幸。ちょっと先輩のとこ行くから付いてきて。」半ば強引に一階の三年生の教室に連れて行かれた。教室に着くや否や、先輩の名前を呼ぶ由季。それに気づいた先輩は、鞄から一冊のノートを持って近づいてきた。
「取りにきたん?せっかく持って行こうと思ってたのに。」「待ちきれず来ちゃった。」
私は手に持っているノートが気になって仕方なかった。
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