【コメコン】参加作品~メディカル・パニック
丸山課長は全てを見抜いていたのだろうか?
いずれにしても、木村は窮地に立たされてしまった。
「診断書って……」
生まれてからこの方、風邪はおろか虫歯にすらなった事の無い超健康優良児の木村には、診断書など無縁の物であった。
しかも、心臓がズキズキ痛むなんて余計な事まで言ってしまった。
「とりあえず、病院行ってくるかぁ……ハァ…」
ため息をついて、アパートを後にし、隣町の大学病院行きのバスを待つ木村。
その様子は、すっかりしょげこみ、雰囲気だけはまるで病人のようである。
そんな、超健康優良児でありながら病院で診断書を貰おうなどという無謀な考えの木村の身に、この後予想だにしない不幸な出来事が待っているとは、一体誰が想像できただろう。
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