隣人はカメラマン!?~恋光をさがして~


「明日香、なんで・・」


なんで、俺の気持ち知ってるんだ?


「淳希に告白したとき、“愛を知らないから分からない”と言ったわよね。あのとき、私には“誰か愛を教えて”って聞こえた」


「・・・」


「淳希、素直になって。やっと見つけた人から逃げないで」


「俺は・・・」


「淳希にも、誰かを愛して欲しい」


「俺は・・・」


我慢していた感情が、心を満たす。


それは全然嫌じゃなく、むしろ心地よい。


ゆっくり目を閉じ、好きな人を思い浮かべる。


「俺は・・・」


大河原さん、と呼ぶ隣人。


愛してるかもしれないし愛してないかもしれない。


分からない。


けど、これだけは言える。


「好き・・美鈴が、好きだ」



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