隣人はカメラマン!?~恋光をさがして~


「じっとしてて」


ゆっくりと、美鈴ちゃんの服を直す。


美鈴ちゃんの耳は、真っ赤。


そんな光景を見て、クスクスと笑った。


初めてだ。


こんな風に、無意識で行動したことも。


誰かのことで、心が温かくなることも。


“たくさん好きって言ってあげて”


なぜか、明日香のことを思い出した。


「俺以外に好きって言わないで」


ただ1人の存在でいたい。


美鈴ちゃんからの好きを貰える、ただ1人の存在に。


もしそうなったら。


俺も、たくさんの好きをあげよう。


こんなことを思わせるのは、ただ1人なんだ。


美鈴ちゃんが、初めてなんだ。



< 299 / 347 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop