隣人はカメラマン!?~恋光をさがして~
「じっとしてて」
ゆっくりと、美鈴ちゃんの服を直す。
美鈴ちゃんの耳は、真っ赤。
そんな光景を見て、クスクスと笑った。
初めてだ。
こんな風に、無意識で行動したことも。
誰かのことで、心が温かくなることも。
“たくさん好きって言ってあげて”
なぜか、明日香のことを思い出した。
「俺以外に好きって言わないで」
ただ1人の存在でいたい。
美鈴ちゃんからの好きを貰える、ただ1人の存在に。
もしそうなったら。
俺も、たくさんの好きをあげよう。
こんなことを思わせるのは、ただ1人なんだ。
美鈴ちゃんが、初めてなんだ。