隣人はカメラマン!?~恋光をさがして~


2人のおかげで、ちゃんと美鈴と向き合うことができた。


美鈴は最初嫌がっていたけど、納得してくれた。


そんな状況で、俺はやっと美鈴と別れるんだと実感した。


本当は離れたくない、別れたくない。


今言わないとダメな気がして、口を開いた。


「美鈴、あのさ・・」


“俺は美鈴を愛してる”


そう言おうと思ったけど。


「もう、会わない・・」


震えるような美鈴の声が聞こえた。


途端に、口が閉じる。


「ごめんね」


言おうと思ったのに・・何故か言えなくなった。


この言葉は、美鈴を苦しめると思ったから。


これ以上いたら、言ってしまう。


そう思い、早く家に帰った。


けど、いきなり美鈴の家のドアが開いて。


「淳希!」


「美鈴?」


いきなり感じる唇の温もり、目を閉じた綺麗な顔。


「愛してる」


美鈴の香りだけが残った。


「・・・美鈴」


美鈴に先に言われて・・俺はバカか?


何とも言えない思いで、俺はしばらく突っ立っていた。


美鈴との別れは、やりきれない気持ちでいっぱいだった。




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