隣人はカメラマン!?~恋光をさがして~
私はたまらなくなって、大河原さんの手に触れた。
大河原さんの手はとても冷たかった。
私はその手を包み込むように、手を重ねた。
「それから、母さんは働き出して。俺に構ってくれなくなった。だから俺は、“愛”が何なのか分からない。親は教えるどころか、愛を全否定したしね」
大河原さんは、悲しそうに笑った。
「笑わないで」
「美鈴ちゃん?」
「泣いていいんだよ」
「泣くか・・もう涙なんて枯れてしまったよ」