星の王子様
満面の笑みを浮かべる華に、聖王子が呟いた。
「あのさ、華」
「はい?」
「あの…」
「?」
何となくどこか言いにくそうな聖王子。一体どうしたんだろう。
「どうしたんですか?」
華が言うと、聖王子は頭を掻きながら考え込んでしまった。そして、
「あの…今私には姫がいない…」
「はい」
王子を辞めると言っていたほどだし、姫を見付ける気もないと言ってた。
聖王子は小さく、ギリギリ聞こえる声で言う。
「それで、王子を続ける以上は、姫を見付ける事も大切だと思う」
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