星の王子様
葵は睨まれても平然としている。短い髪は青く、瞳の色も青い。別にハーフでも何でもないが、生まれた時からこんな色だと嫌そうに言っていたのを思い出す。確かに綺麗だけど、その目で見られると嘘がつきにくくて雫は嫌いだった。
「別にお前を責める気はないさ。始めから上手く行くとは思ってなかったし」
なら言うな。雫は葵を置いて先に歩き出した。
帰って雅様になんて説明しよう。でも雅様は優しいから、きっと許してくれる。問題は、
「女帝ね…」
気が重くなりながら呟く。
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