星の王子様
入口から真直ぐ伸びた窓の所に、煌めく銀髪が風に揺れている。
「聖王子…」
思わず出した声に、聖王子が華に気付いた。
「君は昨日の…。こんな早くからどうしたんだ?」
華ははっとし、持っていた本を聖王子に差し出した。
「真琴に返しといてって言われて、返しに来たんです」
「その本…」
本を見て聖王子は苦笑いを浮かべた。
「この時間に真琴が返しに来るって言ってたのに、君に頼んだのか。悪いね。そこに入れて」
「は、はい」
窓口のような所に置いてある、返却箱に本を入れる。
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