星の王子様
「どこか怪我してるのか?」
「!?」
華は鳴り止まない鼓動が相手にバレないよう、首を左右にブンブンと振った。その人は安心したようにフッと笑う。
「良かった…。ごめんね、怖い思いさせて」
そしてその人は華の頭にポンと手を置いた。
「……」
完璧にカッコいい。笑った顔も、優しい手も。
「一人で帰れるか?」
その言葉に華は理性を取り戻し、バッと勢いよく立ち上がった。
「だ、大丈夫です!帰ります!」
華は早口でまくし立てて公園から飛び出した。
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